優秀なモニターとそうでないモニターとの違いは、当然であるが評価する人により異なるとは思うが、私なりの考えについてお話をしますので、参考にしていただければ嬉しいです。まず、一つお断りをしないとなりません、
実は私は優秀なモニターであったか、少々疑問で、他人から少なくとも「優秀なモニターですね」と言われた記憶はない。そこで、「ダメなモニターとそうでないモニターの違い」として話を進めさせてもらう。なぜ、このようなタイトルに変えたかというと、「CRAの教科書(南山堂)」の中でも記載したが、「最近は優秀なモニターをみなくなった」という話はなく、「ダメなモニターが多すぎる」という話を良く聞くことから、タイトルを変えさせてもらった。「ダメなモニターにならないために」何をしなくてはならないか、そんな話してみようと思います。

まずどの領域の仕事でも共通することであるが、第一印象がとても大事である。この第一印象で「❌ペケ」を点けられると、その後に良いことをしてもなかなか良い点はもらえない。小綺麗な格好をして、ハツラツな顔で、はっきり言葉を話す、こんなことが大事である。特に、新人には注意していることは、お洒落やファッションセンスを競うものではないので、要約すれば目立つ必要はないのである。

また、化粧がきつい、香水やコロンがきついなども注意が必要である。自分では匂いは気づきにくいものである、病院への訪問などでは香水やコロンは使用しないなどの配慮が必要である。当直続きの若手の医師などはシャワーを浴びる時間もないため浮浪者と同じ臭いを発することはあっても、モニターは清潔に努めなくてはならない。

業務の分担化が進んだお陰で、治験の実施計画書をモニターが作成することは稀になった。実施計画書は配られるものであるため、モニターが実施計画書を読んでいないことがよくある。きっと、治験を実施する責任医師や分担医師、CRCが実施計画書を良く読んでいるから、自分は読まなくて治験は進むものと考えているのであろう。 例えば、責任医師との面談の際に、なかなか症例が入らないので、お願いに来たときの会話を示す。

医師A :計画書の選択基準●●が厳しいから該当患者がいないよ。
ダメモニ:(計画書を読んでないから)そうですね、いないですよね。
医師A :他の施設の進行はどうなの?
ダメモニ:(他の施設の情報にも興味がないから)同様に進んでいないと思います。


ダメではないモニター(実施計画書は熟読し、他施設の状況も把握している)であれば、

医師A :計画書の選択基準●●が厳しいから該当患者がいないよ。
普通モニ:●●の解釈は▲▲という意味ですが、それでも該当患者いないでしょうか。
医師A :それならうちにもいるよ。で、他の施設の進行はどうなの?
普通モニ:他の施設も▲▲ということであると説明してから、治験が進んでいます。


そんな簡単な話ではないかもしれないが、こんな流れで治験が進むことがある。  医師だけでなくCRCや治験協力者も実施計画書は読んでいるから、日頃から適当な答えを出していると、このモニターは実施計画書を読んでないことがわかり、仕事に対する熱意がないという「レッテル」が貼られます。
この「レッテル」が貼られると簡単には剥がせません。一度信用をなくした施設でモニターをすることは大変なことですから、できれば責任者に新たな施設でモニターをスタートさせてもらえるようにお願いすることをお勧めします。でも、違う施設に赴任する前には、実施計画書はよく読んでおきましょう。

実施計画書も読まず、さらには施設に訪問しても医師にも合わず、偽のモニタリングレポートを出していた最悪のケースがありました。こんなモニターにはならないでくださいね。

普通のモニターを続けるといつの間にか評判は、「優秀なモニター」という名前に変わっていくものです。どうか、自分の役割を再度確認して、モニター業務に励んでください。

執筆者のプロフィール

■氏名:小嶋 純
■経歴:現職 一般社団法人 医療資源開発研究所 代表理事
    日本大学医学部 脳神経外科系 神経外科分野 講師(併任)
    日本医歯薬専門学校 講師(併任)
■資格:薬学博士