F:インテリムではCRAの方々も自己研鑽のため積極的な学会参加を推奨していると伺いました。

浮田社長:オンコロジー領域は先端科学領域のひとつになりますので、ドクター等のステークホルダーは一番フレッシュな情報を持っている組織や、フレッシュな情報を提供してくれる人間と一緒に仕事をしたいのではないかと思っています。
ここで先ほどの話に戻りますが、CROは全体的に自社での研修回数は多くないと聞いています。
しかし、インテリムは最近でこそ平日に研修をやることが多くなりましたが、当時は土曜日を使って研修をやっていました。すると他のCROから転職された方からは、「研修やりすぎじゃないですか?」というようなことは結構言われました。
ただ、そこは常に情報をアップデートした組織であり続けないと意味がないと思っていますので、今でも変わらずに続けていますね。

やはり医薬品開発に携わる人たちが学会に参加しないとか自己研鑽しないというのはありえないと思います。平日の学会に出るとその分の売り上げが下がるとか、一人あたりの経費が掛かるとかいう考えもありますが、私はそうは思わないですね。
中長期的に見てその人が得た知識というのは、本人だけでなく、得た知識を社内で共有することによって会社全体がレベルアップすると考えます。
ただ、参加者や人数については各ラインマネジャーの判断に委ね、ある程度特定の人間に集中しないようにバランスよく参加させるように指示しています。

F:インテリムに転職してこられたモニター、PLさんからこんなに研修の機会があるのかというようなことは言っておられますか?

浮田社長:はい、実際に良い意味で驚かれます。
インテリムは協会の研修ではなく医学・薬学系の学会に積極的に参加してもらっています。
また、国内だけでなく海外の学会であるASCOにも数名の社員を派遣しています。
最初はインテリムのような知名度が低いCROがなぜここに居るんだという空気がありましたが、現地でオンコロジー領域に関わる製薬企業の方たちや、日本、アジアで開発を考えているベンチャー企業の方たちと情報交換をすることで、最近では海外での認知度も高まってきました。

F:インテリムの研修についてのこのような取り組みについてどう思われますか?

西條先生:オンコロジーの領域は分子生物学の研究成果が創薬に直接結び付くとともに、開発された薬が市場に出るスピードが特に速く、しかも数も非常に多いと言えます。私は雑誌や教科書を編集しているので良くわかるのですが、2~3年もすれば情報が古くなってしまいその本は使えなくなることが多いです。

従って、新しい知識を入手する方法を会社としてもあるいは個人としても常に念頭に置いておかないといけないと思います。たとえばある新薬の開発を依頼された時にその化合物がどういうカテゴリーに属するのか、どのような作用機序を持つのかということがわからないようでは話にならない。

メーカーの開発、MA、営業の人たちも大挙してASCOや日本臨床腫瘍学会に参加していますのでCROからも当然参加すべきと思います。古い話ですが日本臨床腫瘍学会の前身である研究会の時は大学やがんセンターからの参加者数よりメーカーからの参加者数のほうが多いこともありました。

また、得られた情報を自分自身でどのように考えるかということを整理しておく必要があると思います。
僕は毎年ASCO等、海外の学会に行った後、インテリムの社員に話をする機会を設けています。その話を聞くと僕の考え方はわかると思いますが、知識を共有するだけではなくその時聞きに来られた方が自分自身の考え方を整理することが非常に重要じゃないかと思っています。

F:浮田社長:インテリムではCRO事業に加えてオンコロジー専門のMSL、MR派遣のCSO事業を始めたとのことですが、具体的に教えて頂けますか?

IMG_1311 浮田社長:遡ると1990年代後半は多くの研究所が閉鎖されたことで、ポスドク難民とよばれる研究者たちが増え、派遣会社にしか勤めることできないような時期でした。
製薬業界も派遣CRAを受け入れることや、CROに委託するということは2000年前半ではまだまだ保守的でした。
GCPから新GCPに変わっていく中で、旧GCPでしか治験をやったことがない人たちが、その移行にキャッチアップできるのかという懸念もありました。

しかし様々な背景が要因で、CRA派遣や開発の委託が進み、現在はモニタリングだけではなく、これまで製薬会社が行っていた業務までフルパッケージお任せいただくようになっています。私はその流れが、MRやMSLにも進むようになると考えました。
企業さんによってはMSLとしての条件に『PhDを必須』としていたりもするのですが、弊社が行っているオンコロジースペシャリスト、エキスパートと同様のフレームで走らせていけば、きっと受け入れて頂けると思ったのです。
ただし、1人を育成してマーケットに出すまでに最低でも半年はかかります。そのため、短期で利益に繋がるわけではありません。
MSLのオーダーはいただいているものの、急激に増やすと質が下がる恐れがあるので、戦略的に緩やかに増やしていくつもりです。

F:クライアントがインテリムのMSLに求めているものはなんでしょうか?

浮田社長:一番はスピードだと思います。弊社にオファーをして下さる企業のほとんどは、人手が足りなくて頼まれるケースと、オンコロジー領域に新規参入して承認がとれたものの、実際にどうやって売っていいか分からないというケースがあります。
後者ですと、中長期的なマーケティング戦略やKOLのマッピングやリスト化など、いわゆるコンサルからフルパッケージで依頼されますので、一般的に言われるKOLマネジメントだけが業務ではなかったりします。

F:西條先生、MSLは口頭試問が必須ということですが、実際に口頭試問を行われてのご感想をお聞かせ下さい。

IMG_1247 西條先生:まず、MSLについて触れたいのですが、MSLには狭義のMSLと広義のMSLの2種類あります。
広義のMSLというのはMA(Medical Affairs)に属する人たちのことをMSLと呼ぶ場合があります。その場合はパブリケーションや臨床試験を指揮することも業務に入っています。
ところが、狭義のMSLというのは、主にKOLとコミュニケーションを行い得た知識を社内や一般のドクターに対してディストリビューションするのが仕事です。
これは書き物だけ読んでもでは判断できないものです。
しかし、実際にお話しするとよく分かります。他機関のCRCと比べると、インテリムのCRAは極めて優秀だと思います。
これは口頭試問で明らかに差が分かります。

Part1:インテリム創業時~インテリム独自のオンコロジー研修についてはこちら

Part3:これからのがん治療薬の開発についてはこちら

Part4:インテリムの今後のビジネス展開ついてはこちら