F:浮田社長、インテリムは国内外を問わず様々な会社と業務提携や協業をされています。昨年もがん情報サイト「オンコロ」を運営するクリニカル・トライアル社やAIコンシェルジュ事業を行っているU-NEXTマーケティングとの協業を発表しましたが、その辺りについてお聞かせ下さい。

IMG_1289浮田社長:インテリムは提案が奇抜・斬新・面白いと言われます。しかし、何もかも自前でやるわけにはいきません。
ここ数年で私がもっとも大事にしていることは、一緒に組んで新しい価値観を創造できる相手を見つけ、スピード重視で立ち上げることです。
オンコロさんの活動はまさに私の価値観にマッチしていて、歴史としてはまだ浅いですが、認知度は高まってきていると思います。

家族や知人が癌になれば、まず調べるのはネット情報でしょう。しかし実際のとこと、検索しても良質な情報はあがっていないものです。この問題は日本だけでなく、海外でも同じだと思います。
その結果、患者さん自身のブログを読んでみたりというところに行きついていくと思うんですよね。そういった部分をオンコロさんと上手く相互補完できるんじゃないかと考えています。

U-NEXTマーケティングさんとの協業は、医薬品開発の周辺業務で最もサービスイノベーションが起こっていないコールセンター分野で新しいサービスを提供するものです。
更にいうとこの分野のプレイヤーは数が少ないことからも費用が高いんです。
そういった状況もあり、製薬メーカーからは『ようやくAIのお客様相談室ができたか』という声をいただいています。

昨年の12月にニュースリリースしたばかりですが、既に受注はいくつかあります。コールセンターは誰でも知っているビジネスモデルですが、革新的なサービスがまだ起きていません。今なら競合も少ないため、ひっくり返すことも可能でしょう。
企画やコストメリットに加え、AIを使った新サービスによるイノベーションも進めていきます。
私は、製薬業界に関与しない場所から会社を立ち上げました。だからこそ業界の慣例を無視して考えることができ、それが製薬会社から興味や期待を持たれている要因なのかもしれません。

F:西條先生が冒頭にお話しされたように、インテリムは業界の方が立ち上げられたCROではないので、まさにとらわれない発想が出来て結果的に医療に貢献するような新規事業が生み出されているということですね。
今、浮田社長から話が出ましたがん臨床試験の被験者募集と患者さんの関係について、また、医薬業界においてAIを用いたコールセンター事業について、今後の展望などがございましたらご意見を頂戴できればと思います。

IMG_1251 西條先生:私が臨床試験を行っていた時代は臨床試験に対するアレルギーが強くメディアはもちろん厚生労働省ですら臨床試験と声高に言うことが憚れるような風潮がありました。 臨床試験に対する社会の理解や、メディアの風向きも変わってきたのでそれとのコミュニケーションをいかにうまくやるかということがCRO、メーカー、学会、研究者にとって非常に重要だと思います。手前みそになりますが日本臨床腫瘍学会の寄与も大きいと思っています。
従ってオンコロさんと上手く提携して、学会も専門医だけを教育し認定するのではなく一般の方々が臨床試験についてどうコントリビュートすべきか、などに対するエデュケーションをやっていく事を期待します。
実際米国でもがん患者のうち臨床試験に入るのは3%程度にすぎないといわれています
。学会などでもAIを用いたコールセンターと提携しているところがあります。また外国からこのような業務の依頼もあることから必須のActivityと思います。

F:最後に一言お願いします。

浮田社長:先ほども話しましたが日本自体の労働人口が減っていっているので、CROビジネスがリソースオリエンテッドなビジネスモデル、またモニターがいなければ治験が走らないというものになってきています。
ただ、今後はリモートモニタリングやRBMなどの標準化が加速され、ビジットも効率よくなってくると、日本のサイズで1000人以上のモニターは必要なくなってくるのではないかと思います。

インテリムは現在、100名強のモニターが在籍していますが、将来的にもピークで300人ぐらいかなと考えています。
やはりリソースで機会損失するというのは各社BIG issueになっていますので私のマインドとしてはリソースに頼らないようなビジネスモデルを構築していかなければならないと思っています。
そのあたりはCROビジネスを再定義する部分も当然出てくるかなと思っていますので常に隙間は無いかなと思いやっていきたいと思います。

あと、インテリムが目指しているのは「アジアで最も卓越したCRO」ですが 今、アジア発、日本発のグローバルCROが1社もないのが現状です。
インテリムはそのポジションを目指していこうと思います。
ただ、それは規模や売り上げではなくアメリカ、EU、アジアにおいて「インテリムに頼むのが一番安心だよね」というイメージ、安心感を植え付けたいというものです。
そのためにもグローバルな人材を増やしていきたいと考えています。

日本人は海外を見ていないからか平和ボケしている部分が多い。
中途半端に資源もあり土地もある程度広いので台湾や韓国の人たちと比べるとハングリー精神や外に出ていこうという部分が非常に少ないので気付いた時にはもう取り残されていると思います。そうような事も発信しながら内需だけではなく、外需も取り入れて勝ち残れるよう、生き残れるようにしなければならないと思っています。

西條先生:まず、浮田社長は発想がユニークで教えられることが多いと思いますね。
今後、インテリムからMSL、MRとして派遣される方、あるいはインテリムから教育を受けられる方が私たちの持っている知識と同じぐらいまでのレベルまで到達して頂ければ一番ありがたいと思います。

また、口頭試問のように個々で面接の様な形でディスカッションができるという事は我々にとっても興味あるかつ価値のある状況であると思います。
臨床試験を取り巻く環境は新GCPが施行された1998年頃と比べると大きく変わってきました。
何よりも国の方針が大転換し積極的に臨床試験を推進する方向性が明らかになったと思います。また医師主導臨床治験もようやく展開できる状況になっています。

しかしそのためのリソースは限定されており苦戦を強いられている状況は変わりません。優れた新しい治療法をより効率よく患者に届けるため国、メディア、メーカー、CRO,研究者などが総力を挙げインフラ整備をダイナミックに行う必要があると思います。

F::本日はお二人とも、お忙しい中誠にありがとうございました。


Part1:インテリム創業時~インテリム独自のオンコロジー研修についてはこちら

Part2:インテリムのMSL戦略についてはこちら

Part3:これからのがん治療薬の開発についてはこちら