インタビュアー:冒頭で「もっとMRとして患者さんや先生方の気持ちを理解したお仕事ができたのではないかと感じる時があります」と仰っていましたが、具体的にMRの活動方法にどう活かせるのでしょうか?

川崎さん:MRのときは、どうしても売上目標が頭にあり、医師に処方してもらうことしか考えていなかった自分を思い出します。
例えば、抗がん剤投与後に好中球数がいくつを切ったら投与といった具合に、処方の対象になる患者さんがいれば、当然のように処方されるものだと思っていました。競合品の薬の存在は抜きにして。

「昨日使ったよ」と医師に言われたら、その対象者がいたという解釈しかしていませんでした。

でも実際、医師がいる医療現場はそんな機械処理的なものでは決してなく、患者さんや家族と向き合って話をし、患者さんのバックグラウンドや理解もあって、処方がなされています。そこの部分を理解しながら医師とお話をしていれば、もっと話が膨らみ、もっと医師との距離が近づけたように思います。

また、医師だけの判断で患者さんの治療方針を決めるわけではなく、看護師や社会福祉士、薬剤師、そして時には私のようながんライフアドバイザー®も加わって、チームとして患者さんの意思決定を支援しています。そういった本当の医療現場をきちんと把握できていれば、キーマンとして面会する方も変わり、処方に繋がったかもしれません。

インタビュアー:MR、CRAの方々にメッセージをお願いします。

川崎さん:どうしても「営業」という意識が先に立ちますが、「医療者」という意識を持つといいと思います。
自分たちの薬が患者さんの体の中で作用し、命を救うことに繋がっている仕事ですから、単なる営業ではないのです。

治療方針を決めるのは医師ではなく患者さんであること、その支援をチームで関わっているという本当の医療現場をきちんと把握でき、患者側の視点も持っていることが大切だと思います。それにより、自然とMRやCRAの皆さんも一緒に患者を支援する医療者という意識になるでしょうし、医師からもその一員だという認識を持たれ、コミュニケーションも深まるのではないでしょうか。

インタビュアー:本日は貴重なお話どうもありがとうございました。

川崎さん、国吉写真②