インタビュアー:医師主導治験臨床試験はさておき、新薬の開発は昔に比べ少なくなっているのでしょうか?

小嶋氏:海外のものが入ってくる、あるいは日本企業も海外で開発するようになっているので、日本でオリジナルにプロトコルを作るのが減ってきています。

インタビュアー:Sさんは、8年前と今と比較して業界の変化を感じる瞬間はありますか?

S氏:私が入社した頃は、先生が施設をご担当されたいた頃よりは少し整備されてきていたのですが、その頃は大学病院だとモニターは、すべてを担当していたので、ベテランの先輩でも症例数を3つ持つと厳しい状況でした。必須文書を整理するのも、CRFの素案を準備するのもほぼすべてがモニターで、患者対応だけが医療機関が行っていました。

そのあと、SMOが入り、大学病院も治験に積極的になり、「病院がすべきことは病院に」という戻しが当局から促されるようになりました。そうすると、全てCRAが実施し、全例SDVが必須という状況から、原則モニタリングのみを実施、RBMに基づいた抽出SDVが許容といったような変化に伴い、担当施設数が増加していると思います。

私たちが入ったころは3年未満のCRAであれば1~2施設を回せれば十分で、先輩であってもせいぜい5施設まででしたが、今は3年経って一通り回せるようになったモニターなら、7持て、8持てという時代になっています。そういう意味では変わっています。

小嶋:その代わり、設定が大変ですね。薬剤部の人などに同じ日に揃ってもらい、説明会をやろうとすると、都合がつきにくいです。モニターのほうがずっと時間に余裕があるので、モニターが回っているほうが早く作業が終わるのではないかという気もします。

S氏:そのほかの変化として、依頼者が交通費の抑制の一環で、タクシーの利用制限をする依頼者様が増えたり、訪問目的の明確化を求められる傾向にあります。

小嶋氏:行く先々で、目的を明確にしないとビジットが許されなくなりましたね。

インタビュアー:そういった状況になってくると、モニターの役割も少しずつ変化がおきていますよね。
人材の流動性が高くなりますし、各社で、強みを打ち出してキャリア採用の強化を図ってくるようになります。そういう中で、Sさんはこれまで転職を検討されたことはありますか?

S氏:私は2回、育休をもらっています。モニターは、とにかく出張しなければいけません。子供がいる中で、どうやって行こうかは悩みました。

モニターをやめることも含め、転職を意識したことはあります。モニターという仕事を、子供がいて出張に制限かかる中でどう続けていくのかは問題です。ですから採用でも、出張できないモニターはなかなか受け入れられないのではないでしょうか。

小嶋氏:お子さんが小さい間はDMや統計解析になるなど、出張に行かない部署に移るという方法はあると思いますけれどね。優秀な人はそうやってつなぎとめられるでしょう。